寝返りができるようになったら、
ずり這い、ハイハイと、順を追って成長するものなのだと思っていました。
ですが、あるはなんだか違うようです。
これは、あるが、寝返りに慣れ始めた頃のことでした。
うつ伏せになって、少しだけ背伸びをするような格好で、
何があるのかな?とでも言いたげな顔をしながら、
テーブルの上をじっと見つめています。
そうして、テーブルの上にそっと、手を置きました。
まさか、立ち上がろうとしているの?
いやいや、まさかね。
それはまだまだ先の話だよ。
そう思いながらも、黙って見守っていると、
ほんの一瞬でしたが、自分で立ち上がったのです。
この後、すぐに転んでしまいましたが、
この出来事には、とても驚きました。
子育てとは、本当にいつでも驚きの連続だと思います。
あるが、いつでも私たちの予想を遥かに超える行動を取るのは、
思えば、この頃からもう、始まっていたんだなと、
改めて、振り返ってみると、幼い頃の中には、
たくさんの今へのヒントが隠されていたようにも思います。