救われた言葉

あるは、この世界に生まれてから、まだ数百日。

この世界のもの全てが、あるにとって、初めて見るものばかりです。

 

なんでも触ってみたい。

こんな好奇心を持つことも、今思えば、

順調に成長している証拠だったのだと思います。

 

家の中には柵がありましたので、危険なものや触って欲しくないものから、

あるを遠ざけることが出来ていましたが、外に出れば、色々と事情が変わります。

 

あるを連れて一歩外に出れば、

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触ってはいけないものや触って欲しくないものばかりに手を出すあるに、

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それは駄目!

これも駄目!

要するに、全部駄目!!

 

こんな頃もありました。

 

この頃の買い物は、みーくんと3人で出掛けることが殆どでしたが、

あの日は、あるを連れて、2人だけで買い物へ出掛けました。

どうしても、ひとつだけ、買いたいものがあったのです。

 

カートに乗ることを嫌がる時期だったので、

あると手を繋いで、数分程で品物を選び、すぐにレジへと向かいました。

 

支払いをする時には、

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このように、捕獲作戦に出たわけですが、

これであるは何処へ行くことも出来ないと安心したことも束の間に、

あるはレジの台に置いてあるセロテープなどの備品に手を伸ばし始めました。

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これは計算外でした。

 

これは駄目!

それも駄目!

 

色々なものに手を伸ばすあるを必死で止めながら、

漸く、支払いを済ませることが出来ましたが、

レジでお金を支払うだけなのに、一苦労でした。

 

「大変な時は長くは続かないからね。もう少しだから。頑張ってね。」

 

これは、その時に、レジを担当してくれた方からの言葉でした。

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思いもよらぬこの言葉に、私は、泣いてしまいそうでした。

 

この頃の私は、子育てに悩んでいた時期でもありました。

一歩外に出れば、駄目!の連発で、

いつの間にか、心に余裕がなくなり、自信も持てなくなっていたのだと思います。

 

私は、どうしていつも、駄目とばかり言っているのだろう。

もっと笑顔で、あるとの時間を過ごしていたいのに と。

 

あの日、私の耳に届いたこの言葉は、そんな私を救ってくれた言葉でした。

 

あの頃の私は、永遠にこれが続くのではないかという錯覚さえしていましたが、

今思えば、それは本当に僅かな時間でした。

 

あの頃の私を救ってくれたこの言葉は、

いつか、私と同じような人を見つけたら、今度はその方へ贈りたい言葉として、

これまで、大切に胸の中へ仕舞ってきた言葉となりました。

 

当ブログを読んでくださってさいる方の中には、

丁度この頃のお子さんを育てている方もいらっしゃるのでしょうか。

 

今日は、その方へ、これまで温めてきたこの言葉を贈りたいと思います。

 

大変な時は長くは続かないからね。

もう少しだから。

頑張ってね。

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あの頃の私は、インターネットの世界とは縁遠く、

まさか、あれからずっと先の未来の私が、

ブログなるものを書いているだなんて、全く想像もしていませんでしたが、

未来とは、いつでも、

想像を遥かに超えた素敵なものが、

たくさん待っていてくれるものなのかも知れません。

 

こうして、このブログを通して、

たくさんの方と出会えたこと、とても嬉しく思っています。

いつもありがとうございます。

 

あの頃の私を救ってくれた言葉で、

今度は、他の誰かを救えますように。