例えば、実家へ遊びに行った時や、友人宅へお邪魔した時など、
出してくれたお菓子を、
あの可愛い声で、渡してくれていた頃がありました。
それはとても可愛い姿なのですが、ちょっとだけ困りました。
私の前にだけ、お菓子がたくさん集まってしまうのです。
お姉ちゃんには?
ばあちゃんには?
そんなふうに、他の人にも取ってあげるように言ってみますが、
あるは、私にだけ渡してくれました。
ママにだけ。
こんなふうに、あるから特別に扱われているようにも思えたあの時間は、
今思えば、とても贅沢な時間であったのかも知れません。