ショッピングセンター内などに準備されているキッズスペースでは、
クッションで出来た積木で遊ぶのが大好きだったある。
大きな積木を抱えて歩き回るのが、あの頃のあるの楽しみ方でした。
そんなある日のこと。
ある、赤い積木持ってきて?
こんなみーくんの声に、あるは自信を持って青の積木を持って来ました。
慌しい日々の中、
私は、あるが何を知っていて、何を知らないのか、
こんな視点を持って考える余裕がなかったのかも知れません。
このみーくんとあるのやり取りを見つめた時間は、
あぁ、そうか。
あるはまだ色の名前を知らないのだと、気付いた瞬間でした。
それは青だよ
赤はこれだよ
こんなみーくんの声に、
自分で持っている積木を見つめながら、あるはその色の名前を覚えました。
あるが初めて覚えた色の名前は、
みーくんの一番好きな色の名前でした。