羽を伸ばしてくるね。
これは、みーくんにあるをお願いして出掛ける時や実家にあるを預けた時、
無意識に、私がよく使っていた言葉でした。
楽しいひとときを過ごし、帰宅した私に駆け寄ってきたあるは、
いつの頃からか、不思議そうに私の背中を覗くようになりました。
そうして、ある時言ったのです。
あるは、羽を伸ばすという私の言葉に、
普段は羽を畳んでいて、
ひとりで出掛ける時になると、
畳んでいた羽を伸ばしているのだと考えたようです。
帰宅後早々に背中を覗いていたのは、
まだ羽を伸ばした状態かも知れないと考えたからなのかも知れません。
羽を伸ばす。
あの頃の私は、無意識にこんな言葉を選んで話していましたが、
確かに、あるの解釈は、間違いではないのでしょう。
あるは本当に素直だなと微笑ましく思った一コマでした。