小学生になり、初めてスポーツテストをしたある。
結果の表を見て、とても驚いたのは、握力でした。
他の種目は平均なのに、握力だけが、ずば抜けた結果だったのです。
そうして思い出していたのは、
まだこの世に誕生してから間もなかったあるが、
泣きながら哺乳瓶を投げ飛ばした日のことでした。
きっと、みーくんに似て、この子は力持ちになるんだろうなと、
あの頃の私は、未来のあるを想像していましたが、
あの頃、上手く想像出来なかった未来が此処にやってきたのです。
そっか。
だよね。
うん。
やっぱりそうだったんだ。
ひとりで納得しながら、哺乳瓶を投げ飛ばしたあるの姿に驚きながらも、
笑ってしまった日のことを懐かしく振り返りました。
私の腕の中に収まっていたあの頃のあるは、こんなに大きくなったんだなと。