私はビールが苦手なのですが、
実は、ビールには強い憧れがありました。
一度でいいから、
やってみたいことがあったのです。
ビールを一口飲んで、口の周りに泡をつけながら、
普段は口にしない愚痴なんかを吐き出してみる。
例えばテレビドラマのワンシーンなんかにありそうなあの感じを、
サラリーマン風に演出してみたかったのです。
あれは、ビールのように泡立つ子供用の飲み物を、
あると一緒に飲んでみた日のことでした。
折角ですので、出来るだけ口の周りにいっぱいの泡をつけてみます。
そうして、
こんな私の言葉に、
あるは、
私が突然始めたサラリーマンごっこに乗ってくれました。
こんなふうに、雰囲気に合わせることが出来る様になったことも、
成長の証拠とも言えるのでしょう。
ふとした時に、あるの成長を見つけて、
胸がいっぱいになったことは、これで何度目だっただろう。
あると一緒に笑いながら、
いつの間にか、こんなに成長していたんだなと、
こっそりと、喜びを感じた出来事でした。