Sボードを楽しげに乗りこなすあるの姿を見守っているうちに、
私もやってみたくなりました。
あるが短時間で、あまりにも上手に乗れるようになったので、
私も直ぐに乗れるようになるのではないかと、
僅かにこんな錯覚をしていたことも認めなければなりませんが、
あの時の私は、ひとつ忘れていたことがありました。
そう言えば私、運動はあまり得意な方ではありません。
そんな私ですが、あるに教わりながら、
生まれて初めてのSボードへの挑戦です。
初めは手を繋いで、ボードの上に立つ練習から。
そして、あるから手を離して、体を動かし前に進む練習です。
まさか、大人になってから、派手に転ぶ日がやって来るだなんてね。
場所はアスファルトの上です。
もう、立ち直れないのではないかと思うほどの激痛が走りましたが、
絶対に乗れるようになりたいと思いました。
何度も派手に転んでは、擦り傷だらけになりましたが、
あまり時間は掛からずに、
やがて私もSボードに乗れるようになったのは、
あるの教え方がとても上手だったからなのだと思います。
こうして振り返ってみれば、
擦り傷だらけになりながら練習したのも、楽しかった思い出。
運動は得意ではなく、自分には向いていないのだと、
ずっとそんなふうに自分から避けていた節がありましたが、
ほんの少しだけ勇気を出せば、
出来ないことなどないのかも知れないと、
こんなふうに学ばされた時間でもあったように思います。
もしも、
これからSボードをやってみたいとお考えの方がいらっしゃったとするのなら、
足ではなく、腰を動かすイメージで乗れば直ぐに乗りこなすことが出来ます。
当時のあるが私に教えてくれたことも、
此処に残しておこうと思います。