みーくんは、忍者。
そして私は、魔法使い。
あるが幼稚園生になって間も無くの頃の我が家では、
実はこんな流れになっていました。
私が魔法使いになってしまったのにも、理由がありました。
あるは、どちらかと言うと慎重なタイプで、
あまり怪我をすることはありませんでしたが、
幼稚園へ通うようになった頃から、動きが活発になり、
擦り傷が格段に増えていったのです。
これもまた大切な成長の一部であったのだと思います。
そんなある日のこと。
転んで擦り傷を作ったあるが、
とても痛がっていたので、摩りながら声を掛けました。
ママの手は魔法の手だから、
あるの痛いところを治してあげるよ。
こんな私の言葉が始まりとなり、
ママは実は魔法使いだということになってしまったのです。
ですが、不思議です。
私が摩ると、必ずあるは笑顔を見せてくれました。
やがて、転んで怪我をする度に、
あるは私に、魔法で直して!と言ってくれるようになりました。
こうして改めて振り返ってみると、
私はあの頃、本物の魔法使いになれていたのかも知れません。