ある。
キミはどうして彼らが入っている籠の蓋を、
ちゃんと閉めないんだい?
廊下に見つけた彼の姿に、
叫び声を上げた日のことを思い出しながら、
ふと蘇ったのは、更に恐ろしかったあの夜のことです。
あれ?いなくなっちゃった。
ある日の夜、彼らの様子を見ていたあるは、
籠の中にいるはずの彼らのうち1匹がいなくなってしまったと言うのです。
どうやらまたしても、
籠の蓋をちゃんと閉めていなかったようなのです。
家の中を捜索しても見つからず、
みーくんが、
懐中電灯を照らして、誘き寄せるという作戦を取ってくれましたが、
彼は行方をくらましたまま、一向に姿を現してはくれませんでした。
そうして遂に、
今夜は諦めて、このまま寝ようということになってしまったのです。
窓は開けていませんでしたし、
彼は絶対に家の中の何処かに潜んでいるはずです。
彼が何処にいるのかが分からないだなんて、私にとっては、
敵がどこから現れるか分からないのと同じ。
あの日の私は、眠れない夜を過ごすこととなりました。
幸いにも、彼の姿に驚かされることもなく、一夜を過ごすことが出来、
翌日には、脱走した彼を無事に見つけることが出来ましたが、
いつもの我が家が、恐怖の館へと変わってしまったあの夜は、
彼らをお迎えした中で、最も怖かった出来事でした。