これはね、ここに針がついていて、
凄く危ないから、絶対に触っちゃダメだよ。
これは、あの頃のあるへのミシンについての説明です。
手提げ、コップ入れ、上履き入れ、ハサミ入れ、その他、色々な袋たち。
幼稚園用品は全て寸法や形が細かく決められていて、
準備するものも、数多くありました。
あるが眠ってから準備を進めようかとも考えましたが、
ミシンの音も気になりますし、
夜の短い時間だけでは間に合う気がしませんでした。
ハンドメイドは、私の趣味のひとつではありますが、
ミシンとは縁遠く、私がミシンを触るのは、恐らく家庭科の授業以来です。
あるはちゃんと分かってくれただろうかと、
ちょっと緊張しながら、作業をすることにしましたが、
ミシンを使っている間、静かに遊んで待っていてくれました。
あるのバッグを作ってくれるんだよね。
こんなふうに、出来上がりを楽しみ待ちながら。
大きくなったんだな。
ミシンには決して近付かずに、ひとりで遊んで待っていてくれるあるの姿に、
成長を感じながら、作業をした日がありました。
お陰で、作業も捗り、
思っていたよりも、早くに仕上げることが出来ました。
出来上がった用品を見て、とても喜んでくれたあるの姿も、
大切な思い出のひとつです。