絵本なんかを読み聞かせながら、少しずつ、字が読めるようになったあるですが、
まだ自分で、字を書くことは出来ません。
二十歳になれば皆同じだと、こんな視点を持ってあるを育てていた私は、
全てにおいて、ゆっくり過ぎていたのかも知れません。
偶然、公園で出会ったあると同い年の子が、
木の枝を使って、地面に文字を書き始めたのを見た日の私は、
とても衝撃を受けました。
上にお姉ちゃんがいるから、なんでも覚えるのが早いのよ
焦る必要なんて、ないわよ
その子のお母さんは、そんなふうに笑っていましたが、私は、非常に焦りました。
来年には、あるも幼稚園へ通います。
それなのに、私は、毎日、毎日、
あると楽しく遊んでばかりで、
少し、のんびりとし過ぎていたのかも知れません。
あの日がきっかけとなり、私は、少しずつ、
あるにひらがなを教えることにしました。
あれは、あるを育てながら、
初めて、これではいけないと、とても焦ってしまった出来事でした。