あるに折り紙を折ってあげました。
隣で静かに、出来上がりを待ってくれています。
何を折っても喜んでくれるあるの姿が嬉しくて、
勢いに乗った私は、
折り紙の本を参考に、色々と折りながら、
やがてオバケの折り方に辿り着きました。
オバケとは言っても、とても可愛らしいオバケです。
それなのに、なんということでしょうか。
ある、見て?オバケだよ
こんな私の声に、あるは泣き出してしまったのです。
可愛いでしょ?という私の声は届かずに、
オバケを指差して泣き続けるある。
私たちは、オバケを怖いものとして教えた記憶はありませんが、
あるはいつの間にか、オバケを怖いものとして覚えていたようです。
ふとした時に、私たちが思っていたよりも、
あるが成長していたことを知る瞬間がありました。
そうして、この可愛いオバケは、
ずっと先の未来まで、封印されることとなったのです。