いつの日か、あるのお話が上手になったら、
ひとつだけ、あるに聞いてみたいことがありました。
それは、お腹の中にいた頃の記憶。
あるのお話も随分と上手になってきました。
あるをゆったりと抱いていた時間に、
今なら、聞いてみても良いのかも知れないと、
ふと、そんなふうに思った瞬間がありました。
ある。
ママのお腹の中にいた時のこと、覚えてる?
こんなふうに静かに話し掛けると、あるは答えてくれました。
それはまだ、あるが生まれる前に、
お腹に手を当てて、そこにいるあるに語りかけていたみーくんの言葉でした。
あるはあの頃、
きっと静かに、みーくんの声に耳を傾けていたのでしょう。
赤ちゃんは、お腹の中にいた頃の記憶を持っていると、
そんなふうに聞いたことがありましたが、
本当に覚えているのだと、とても感動した出来事でした。