ある。
キミはきっと、気付いてはいないんだろうな。
小さかったキミは、私たちに、
大切なことを思い出させてくれたんだよ。
キミはね、
私たちに、いつの間にか忘れてしまっていた自分を、
思い出させてくれたんだ。
キミはきっと知らないね。
小さなキミを膝に乗せて、
一緒に戦隊物のテレビを観ていた時のパパの顔を。
あの時のパパは、キミのすぐ後ろで、
キミと同じように、目をキラキラと輝かせていたよ。
キミと一緒に、格好いい!って歓声を上げた時のパパは、
子供みたい、
というより、
あの時のパパはきっと、子供だったのだと思う。
きっとね、あの時のパパの中には、鮮明に蘇っていたのだと思うよ。
子供だった頃の自分が、何に憧れて、何が大好きだったのか。
あの頃のあると同じくらいだった頃のパパもきっと、
キミと同じように、可愛らしい子だったんだろうな。
私は、こっそりと、そんな想像をしていたよ。
とても可愛いパパの姿を見せてくれてありがとう。
そしてキミは、私にも、同じものをくれたんだ。
キミと遊びながら、気が付けば、私も夢中になって遊んでいたよ。
お人形遊び、
おままごと、
お店屋さんごっこ、
そして、雪遊び。
これは、私が小さな頃に大好きだった遊び。
いつでも、とても楽しそうに遊ぶキミと一緒に過ごしながら、思い出したんだ。
あぁ、そうだ。この感じだ。
楽しいな!って。
すっかりと何処かに置いてきてしまった、
胸の奥から湧き上がるワクワクとしたあの気持ちを、
キミが思い出させてくれたんだよ。
ある。
キミが生まれてきてくれたから、私たちはまた、
子供みたいに楽しい時間を、堂々と過ごすことが出来たよ。
素敵な時間をありがとう。
子供みたいに、何かに熱中すること。
それって実は、幾つになっても、
とても大切なことなんだと小さなキミが教えてくれたんだよ。
だからね、ある。
キミは、ずっと忘れないでいてね。
大好きなことに熱中する時の、
あの、ワクワクとする気持ちを。