幼児期

たまごといくら

自我が芽生えたあるは、なんでも自分でやりたがるようになりました。 そんなあるを回転寿司店へ連れて行った日のことでした。 今はタッチパネルでの注文が主流ですが、 当時は、インターフォンを押して、流れていないお寿司を注文するスタイルでした。 私た…

おしゃぶりの卒業

あるには、おしゃぶりをさせていましたが、 いつ頃、おしゃぶりを卒業させれば良いのだろうかと、 こんな疑問を持ったのはいつの頃だっただろう。 幼稚園に入るタイミングなのか、 それとも、もっと早い時期なのか。 夜、眠る前には、おしゃぶり必須。 こん…

第一次反抗期

あるを病院へ連れて行った日のことでした。 あの日は確か、熱が出ることはなかったけれど、 咳が出るというような比較的、軽い風邪のような症状であったような気がします。 咳をしながらも元気なあるは、診察室へ呼ばれると、 なんと患者用の椅子に座ってク…

ももしる

あるは、お味噌汁を何故か『ももしる』と呼んでいました。 間違えて、ももしると覚えてしまったのかも知れません。 そんなある日の食事時のこと。 いつも通り、お味噌汁をももしると呼ぶあるに、 これはお味噌汁だよと、 そう話し掛けると、あるに叱られてし…

お気に入りの言葉

あるがたくさんの言葉を話し始めた頃の中で、 特に私たちのお気に入りだった言葉がありました。 これは、お風呂の時間の中でのあるの言葉です。 体を洗って湯船に入ったあるに、 毎回、みーくんは、桶でお湯を掛けてあげていました。 いつの頃からか、そんな…

けいとくん

私があるを産んだ頃は、半年から1年ほど前後で、 周りの先輩や友人たちも出産をしていました。 そんな中で、 私が最も、頻繁に時間を共に過ごしていたのは、 あるよりも半年ほど後に出産した先輩でした。 先輩の子の名前は、けいとくん。 先輩とは、家が近所…

ちょっと待ってダメ!

ちょっと待っててね 私の言葉を理解し、少しの間、待っていてくれるようになったあるですが、 そんなあるの姿に楽になったと感じたことも束の間に、 今度は、 待ちたくないと意思表示をするようになりました。 ちょっと待っててね の私の声に、ある日突然、 …

ママ!こんにちは!

例えば、奥の部屋で掃除をしている時など、 訪問者が来ても、気が付かないことがありました。 そんなある日のこと。 あるが知っている言葉を使って、 人が来ていることを教えに来てくれた日がありました。 この日は、 情熱的なセールスを丁重にお断りしなが…

小さな天才

ある。 キミは気付いていたかな。 キミはね。 素敵な才能を持って生まれてきたんだよ。 キミは、本当に凄いね。 キミは生まれたその日に、その素敵な才能を開花させたんだ。 アルバムをめくれば、所々に見つけるのは、 パパと小さなキミの変顔の写真。 キミ…

お腹の中にいた頃の記憶

いつの日か、あるのお話が上手になったら、 ひとつだけ、あるに聞いてみたいことがありました。 それは、お腹の中にいた頃の記憶。 あるのお話も随分と上手になってきました。 あるをゆったりと抱いていた時間に、 今なら、聞いてみても良いのかも知れないと…

謎の呪文

一時期のあるは、マイクのおもちゃがお気に入りで、 家の中では勿論のこと、何処に行くにも一緒でした。 マイクを片手に、 この言葉の意味は、未だに謎ではありますが、 あの頃のあるは、マイクに向かって、必ず呪文のように、 『からばからば』と、唱えてい…

眠らない体

神様、私に眠らない体をください。 あるが生まれてからというもの、 私は何度、こんなことを願ったでしょうか。 あるが初めて4時間眠ってくれたのは、床上げの頃のことでした。 そこから、あるの睡眠時間が長くなることはなく、 あるは何故、4時間以上眠らな…

お片付けも楽しく

あるが、おもちゃを散らかし放題で遊んでいます。 あるの仕事は遊ぶこと。 そして、部屋中を散らかすことも、 その一部とも言えるのかも知れません。 さて、ご飯の前に、お片付けをしたいと思います。 ある。お片付けしようね。 あるに声を掛けてみますが、…

折り紙

あるに折り紙を折ってあげました。 隣で静かに、出来上がりを待ってくれています。 何を折っても喜んでくれるあるの姿が嬉しくて、 勢いに乗った私は、 折り紙の本を参考に、色々と折りながら、 やがてオバケの折り方に辿り着きました。 オバケとは言っても…

ママじいちゃん

私の実家へ遊びに行くと、あるが一目散に駆け寄って行くのは、 ママじいちゃんのところ。 あるは、ママじいちゃんに、とてもよく懐いていました。 渡したいものがあるから届けに来たよ 今日は玄関先で帰るよ あれは、ママじいちゃんが、 ほんの少しだけ家に…

ちょっと待っててね

あるの写真を撮りたくて、 少しだけ私が離れただけで泣いていたあるも、 少しずつ、ひとりで遊ぶことが出来るようになってきました。 あると遊ぶ前に家事を済ませたい時には、 ちょっと待っててねと声を掛ければ、 その意味を理解し、私の言葉を真似ながら、…

おままごと遊び

あるは男の子だから。 そんなふうに決めないで、色々な遊びをしようね。 男の子だって、おままごとやお人形遊びに興味を持っても良いと思うんだ。 これは、いつかのみーくんの言葉でした。 確かに、あるがこれから、 どんなことに興味を持つかなんて、分かり…

こっそり見守ったあるの可愛さ

あれは、あるが静かに教育番組を観ていた時のこと。 テレビから聴こえてきたのは、 写真を撮るよ 笑って? テレビを観ているあるに語りかけるようなこんな声でした。 あるがテレビに集中している間に家事を済ませようと、 動き回りながらも、影からそっとあ…

あるの大きな成長

あの日は、本当に突然にやって来ました。 ある日突然に、あるはこうお話したのです。 あの日の感動は、今でもよく覚えています。 残念ながら、みーくんはその瞬間に立ち会うことは出来ませんでしたが、 仕事から帰って来たみーくんにも早速報告を。 あの日の…

小さな歯が生え揃った可愛さ

まだ歯が生えていない口を開けて笑うあるも、 ほんの少しだけ歯が見え始めた口を開けて笑うあるも、 とても可愛いかった姿。 やがて、あるは、 小さく可愛らしい歯が生え揃った口を開けて笑う姿を見せてくれるようになりました。 あるはその成長と共に、 そ…

スプーン

食事の時には、食べさせてあげなければ食べられなかったあるも、 いつしか自分で食べることに興味を持つようになり、 少しずつ、自分で食べることが上手に出来るようになりました。 あの頃の写真の中に見つけたのは、 皮を剥いて渡してあげたバナナを、 スプ…

寝相

あるが小さかった頃には、 時々、あるの寝顔も写真に収めていました。 お腹の中にいた時と同じように、 両手を上げて眠っていたあるですが、 成長と共に、その姿も変わってきました。 改めて写真を眺めながら、 これもまた立派な成長の一部なのだなと、 また…

出会った絵本

立ち上がることを覚え、歩くことを覚えたあるは、 いつの間にか、走ることだって上手に出来るようになりました。 日々の生活の中、危険のないように心掛けてはいましたが、 動きが活発になったあるに、 私たちの『危ないよ』は、ちゃんと伝わっているのだろ…

ライオンさん

ライオンさんの絵が描いてある洋服が、 お気に入りだったある。 四足歩行の動物は、全てわんわんだと思っていたあるも、 その違いを学び、少しずつ動物の名前を覚えました。 『ライオンさん』とまだ上手に言えなかったあの頃のあるも、 とても可愛かった姿で…

ママじいちゃんの車

ママじいちゃんが家に遊びに来ると、 毎回あるは、ママじいちゃんの車の運転席に座りたがりました。 ママじいちゃんの車は、マニュアル車です。 早速ママじいちゃんの車の運転席に乗せてもらうと、 右手をハンドルへ、そして、左手でミッションを動かすよう…

新しい助詞の誕生

これはパパのだよ。 パパも一緒だよ。 こんな日常会話の中で、あるは少しずつ、 パパの、パパも、という助詞のついた言葉を理解し始めました。 そうしてある時、 あるは初めて助詞のついた言葉を話したのです。 これは・・・ 新しい助詞の誕生ではありません…

突然の自己紹介

公園へ遊びに行くと、 そこで待っていてくれるのは、いつでも新しい出会い。 様々な子たちとの触れ合いの時間の中では、 あるの成長を見つける多くの機会に恵まれました。 新しい出会いの中、 いつの頃からか、あるは仲良くなった相手に、 突然に自己紹介を…

みっちゃんとの時間

あるよりも1歳年上の従姉妹、みっちゃんをお預かりことがありました。 小さな子の1歳って、とても大きい。 それは、あるが生まれてから接してきた、 色々な子たちとの時間を通して感じてきたことでしたが、 この日、みっちゃんをお預かりしたことで、 より一…

力の違い

みーくんとの時間には、 ダイナミックな遊びを好んだあるですが、 私には一度も、ダイナミックさを求めてくることはありませんでした。 今思えばあるは、幼心にも、 私には、みーくんのような力がないことを悟っていたのかも知れません。 日常の中の何気ない…

ある専用の遊園地

力持ちのみーくんは、あるとの遊び方がとてもダイナミック。 あるは、みーくんとの遊びの時間が大好きでした。 みーくんって、ある専用の遊園地みたいだな 私には真似出来ない遊び方をするみーくんと、 とても楽しそうに笑うあるを見ている時間は、 私にとっ…